内容説明
ナポレオンとフランス軍が起した混乱を収拾するために、「会議は踊る」とも称されたウィーン会議で、欧州は新たな秩序を形成したとされる。しかし、新体制は安定せず、欧州はその後相次いで世界大戦を引き起こし、栄華を誇ったハプスブルク帝国は、やがて時代の波の間に消滅していく。この一大帝国の光と翳にワルツは寄り添って奏でられた。もとはヨーロッパの地方の舞踏曲にすぎなかったワルツが、その音楽世界を広げていった過程には、ワルツの天才たちの生きた時代と帝都ウィーンの時代精神が映し出されている。
目次
プロローグ オペラ舞踏会の夜
第1章 ワルツの世紀
第2章 ウィンナ・ワルツ誕生
第3章 中欧とバルカンの要
第4章 革命下の帝都
第5章 シュトラウス王朝
第6章 シンフォニック・ワルツ
第7章 ワルツ・オペレッタ
第8章 夢と現実
第9章 世紀末ウィーン
エピローグ 限りある生への限りなき讃歌
著者等紹介
加藤雅彦[カトウマサヒコ]
1927年、名古屋市生まれ。東京大学法学部政治学科卒業後、NHK入局。ベルリン自由大学留学、NHKベオグラード、ボン支局長、解説委員をへて、現在欧州問題研究家
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