内容説明
視角は、二次元の網膜映像をどのようにして心的記述に転じているのか。心的イメージは概念の代わりになりうるのか。カテゴリーとは恣意的な慣習にすぎないのか。情動と知性は別々に働くのか。人間は生得的な認識方法をもち、情動は遺伝子の複製を増やすためにデザインされたもので、道徳的価値観を促進するためではない。その視座から、世界的認知科学者が、視覚や推論、情動という心の中心的機能を明快に解く。
目次
第4章 心の目―網膜映像を心的記述に転じる(ディープ・アイ;光、影、形;2・1/2次元で見る ほか)
第5章 推論―人は世界をどのように理解するか(生態学的知能;カテゴリー化;生得的な認識方法 ほか)
第6章 情動―遺伝子の複製を増やすために(普遍的な情熱;感じる機械;郊外住宅地というサバンナ ほか)
著者等紹介
ピンカー,スティーブン[ピンカー,スティーブン][Pinker,Steven]
現在、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授。『心の仕組み―人間関係にどう関わるか』で「ロサンゼルス・タイムズ」ブック賞受賞、ピュリツァー賞文芸ノンフィクション部門最終選考候補、「ニューヨーク・タイムズ」ブック・オブ・ザ・イヤー受賞
椋田直子[ムクダナオコ]
東京大学文学部大学院修了。翻訳家
山下篤子[ヤマシタアツコ]
北海道大学歯学部卒業。翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
izw
11
「心の仕組み」中巻で、第4章「心の目」、第5章「推論」、第6章「情動」。第4章が視覚から心的イメージが生じる仕組み、第5章は思考の中心的な働きを、第6章では思考を支える情動について解き明かしている。相変わらず言葉を尽くして説明しきる書きぶりだが、上巻ほどは気にならなくなった。慣れたのか、話題がこの書き方に合っているのか。2017/12/03
北条ひかり
3
5時間46分。音声デイジー。横浜市立中央図書館と音訳者さんに感謝。2016/12/26
ヨンデル
2
この本の作家「スティーブン・ビカーン」はずれがないですね。「上」巻を読んでしばらくとうざかっていたのですが読んでよかったです。早く「下」巻を読みたいです2023/02/20
ネオおしりいぬ
2
中巻の前半では過度に擬人化された「心の社会」が面白いです。後半ではだんだん道徳のレベルにまで生物学がズケズケと入り込んで行くところがいいですね。2012/04/04
伊勢田和良
1
スティーブン・ピンカー「心の仕組み 中」を読みました。 中巻では、「心の目」「推論」「情動」からなっています。 「心の目」「推論」は心と脳の働き・関係について様々な切り口で、過去の研究者・科学者たちの発見した内容と影響です。 よくもまあ、あれこれと考え、仮説を立て、実験を繰り返し、気の遠くなるような時間をかけているかと、ため息モノです。 「情動」は、固苦しい文章が続く中で、人間関係のハウツーものに通じるコツ、知恵なども満載で読みやすい章です。 「心の目」では情報獲得手段としての人間の感覚器官、その中で2015/09/07