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NHKブックス
レトリックと認識

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140018941
  • NDC分類 801.6
  • Cコード C1380

内容説明

現代レトリック論は人間の認識活動に注目する。桜見物を花見というシネクドキ、永田町で政界を表すメトニミー、時は金なりのメタファー。「時は金なり」は、時間が貴重なもので、計量可能なものだという新しい時間意識を生みだした。また、日本人は歴史を川の流れに喩え、西洋人はそれを構築物に喩える。レトリックの認識論的本質をまず捉え直し、時間・身体空間・詩・恋愛の世界や日本人独自の発想をメタファー等を通して見直す好著。

目次

1 シネクドキと認識
2 メトニミーと認識
3 メタファーと認識
4 時間のメタファー
5 空間のメタファー
6 科学と詩
7 恋愛のレトリック

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミツ

4
これは面白い。レトリックを世界(自己)を語り、発見するための方法と定義し、シネクドキ、メトニミー、メタファーの順にそれぞれのレトリックが基づいている原理を明らかにしてゆく。 内容もNHKブックスの割には易しく、豊富で説得力のある例文の数々(“飲みに行く”“右にでるものはいない”“気分が沈む”など)を読みながらあれこれ考えるだけでも楽しい。 扱う分野も比較文化論、偶然論、科学と詩、時間論、空間論、恋愛論と幅広く、レトリックと絡めて上手に論じられている。佳作。2010/10/16

真弓Trick

2
「人間の意のままになる、永遠の唯一の行為は相変わらず、時の経過につれて稀であったり多かったりする事物の間の関係を捉えることです。つまり心の状態――人は好きなように拡大すればよいのです――に従って世界を単純化することです。それは創造と同じです。なんとなればこの世に存在しない、わたしたちの眼から逃れているものを考え出すのですから。」(ステファヌ・マラルメ『音楽と文芸』)2015/11/05

らむだ

2
認識論的な視点からレトリックについて論じた一冊。比較文化論や空間論、恋愛論など幅広く扱った良書。2013/04/24

symbioticworm

0
エッセイ的な軽い文章を交えつつ、豊富な具体例を挙げながら人間の生活に根付いたレトリックの数々を分析する。テンポの良い文章で内容も興味深いが、不満点を挙げるならば、本の主題からは外れているとはいえフェミニズムに関する著者の理解の浅さが気になる。レディ・ファーストとフェミニズムを同一視していると思しき部分が散見されるが、むしろこの二つは、少なくとも現代フェミニズムでは相反するものとして理解されているだろう。2015/07/04

ishilinguist

0
こりゃ面白かった。どこを読んでも密度の濃い観察と考察。

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