内容説明
北欧フィンランドに伝わる美しい叙事詩カレワラと古事記、日本書紀等の日本神話に共通するモチーフを抽出する。宇宙卵、課題婚、呪的逃走、再生、宇宙樹、異族女房、天体解放、児童神、兄妹相姦等々。これらのモチーフをさらにギリシア、中国、ロシア等、広くユーラシアの神話と比較し、その起源と系統的関係を確かめて、日本神話とカレワラ神話を読み直す。また両者の構造を比較し、神々や英雄たちの三機能の共通性を発見する。比較神話学の死角をつく好著。
目次
天地創成―卵生神話
課題婚―オホクニヌシとカレワラの三英雄
呪的逃走―イザナギとワイナミョイネン
カレワラの骨格―桃太郎とサンポ物語
再生―オホクニヌシとレンミンカイネン
天体解放―アマテラスと鍛冶の娘
児童神―小さ子とクッレルボ
禁室型説話―トヨタマビメとアイノ
宇宙樹―槻の木と樫の木
母子神―八幡神とペッレルボイネン
兄妹相姦―軽大郎女とトゥイレトゥイネンの妹
三機能―日本の神々とカレワラの英雄