内容説明
本書は、華麗な様式美の根底にある普遍的な人間のドラマ、科白と音楽と舞踊によって成る“総合芸術”の世界を、演劇論の碩学が、東西の作品の比較分析から解き明かす。これは、日本人の“心”を綴り、“究極の美”を語り尽くすものである。
目次
序章 日本の演劇伝統とドラマ
その1 憂世の悲劇―天上希求の世界〈世阿弥〉
その2 人間ドラマの成立―地上界の劇性〈狂言と近松〉
その3 愛別離苦の劇的展開―諒解の悲劇〈浄瑠璃全盛〉
その4 浮世の芝居―歌舞伎バロックの世界〈南北と黙阿弥〉
終章 究極の美境
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zag2
18
世阿弥図書館本シリーズ5冊目。といっても黙阿弥の曾孫にあたる河竹登志夫さんの本だけあって、世阿弥よりも黙阿弥のウェイトが高い感じ。一谷嫩軍記や東海道四谷怪談って、そういう話だったのかとあらためて感心しながら読んでいたため、まったくの遅読。文楽と歌舞伎が一線を画するっていうのも、初めて認識しました。速読で50冊…のつもりだったのだが…2021/06/22
のほほんなかえるさん
0
能に「ドラマ性がない」と1960年代には言われていたとか。2011/10/02
はにゃん
0
☆☆なかなか面白い視点で、よかった。2009/11/15