内容説明
医師から患者への十分な説明、患者の納得、医師への同意。インフォームド・コンセントは、アメリカを始めとする欧米の契約社会で広く受け入れられている。一方、父権主義=パターナリズムが永らく通用してきたわが国では、患者は医師の裁量にすべてを託す“阿吽の医療”が支配的であった。それぞれに歴史があり、文化がある。今後、インフォームド・コンセントはわが国の風土に根づくのか。多くの患者と向き合ってきた第一線の臨床医が諄々と語るインフォームド・コンセントへの道しるべ。
目次
第1部 何が問われているか(インフォームド・コンセントとは何か;歴史の教訓が生んだ人権尊重の医療;“ヒポクラテスの誓い”に見るパターナリズムの思想;現代におけるパターナリズム・三つの局面;患者に「何を」「どう」伝えるのか ほか)
第2部 「がんの告知」を考える(がんとは何か―その発症機構・病態・治療;がんの告知はなぜ難しいか;予測のつかない告知後の反応;「ケース・バイ・ケース」が最良の選択;告知をめぐる法の解釈 ほか)
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