内容説明
安保闘争という側面をはるかに超える巨大な政治過程である安保改定は、戦後日本の軌道を決定的に左右した。その協調と摩擦の絵柄はまさしく日米関係の縮図であった。
目次
第1章 日米関係の原型
第2章 安保改定への胎動
第3章 日米首脳会談での原則的合意
第4章 安保改定交渉へのアプローチ
第5章 安保改定交渉の軌跡
第6章 新条約が映し出す意味
終章 冷戦崩壊後の安保は
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pyonko
2
60年の安保改定における日米の駆け引きに焦点を当てた検証本。当時の力関係や(ここは今もあまり変わってないが)、条約に内在する矛盾などをより深く理解できる。善し悪しは別として、米国に対して実質従属している、保護されている、という認識が希薄なまま育ってきた人間としては、どうも遠い世界の話に感じてしまう。2015/08/14
省事
0
安保改定研究の古典。条約改定交渉の発端から批准・発効まで、米国側は史料によりつつ、日本側はインタビューを駆使してクロノジカルに、かつ論点をわかりやすく論じている。『戦後日本と国際政治』より圧倒的に読みやすいので安保改定を知りたい人間にとり、最初の一冊としても有益。結章はこの時代(25年以上前で、当然ながらまだその後の日米関係を論じる研究が出てきていない時代)のものである、という印象は残る。2017/10/02