内容説明
コメの輸入自由化をめぐり、アメリカと日本は鋭く対立している。自然環境に適応し、歴史的発展を遂げてきた日本のコメ作りが、“農民の自給的稲作”とするなら、その対極にあるのが、投機的・常利的なコメ作りを行なう“ギャンブラーの稲作”である。本書は、熱帯農学者の広範にわたるフィールド・ワークの成果からコメ作り、そしてコメの文化の根本問題を、改めて検証する。―“揺らぎ”のなかの日本のコメを、どのような筋道で考えるのか。
目次
はじめに―ギャンブラーの稲作・農民の稲作
第1部 コメは、どのように作られるか(コメ作りの三つの体系;さまざまな移植稲作)
第2部 コメ作りの社会史(ギャンブラーのコメ作り―商品としてのコメ;農民のコメ作り―日本の稲作)
おわりに―コメをどう捉えるのか~稲の文化史・風土史のなかで