感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
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            猟師は天候などについて独自の鋭敏な感覚を持っているが、同時に「イノシシは辰巳の日は巽の方角に逃げる」という迷信も信じている。それは現場で素早く決断するために不可欠かも知れない…から始まって日本の生活感覚としての霊魂観、死生観が検討される。仏教以前の神道を柳田国男は深く惜しんでいたが、平安京にも墓地が無かったように徹底的に死穢を忌む感覚は穢多非人など身分差別につながった。仏教僧は、葬儀をとりおこなう便利とともに神社の様々な託宣の信義判定もした。ほか「死んだら神になる」のは江戸末期からの感覚であるとか示唆多々2013/07/03
          
        abaoaquagga
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            日本民俗における信仰について、土着的な風習から、神道や仏教のもたらした影響、さらには現代~未来に対する問題提起までを、「家と祖先」「死生観」などのテーマに大別して論じた本。貴族と庶民では"忌み"の考え方がまるで違ったとか、門外漢には新鮮な話が色々と。柳田国男の神道主義的スタンスの問題点を真っ向から批判したくだりも面白い。ただ、本地垂迹説が解説なしで何度も出てくるなど相応に専門的な部分もあり、特に西洋哲学があれこれ絡んでくる終章は正直難しい。このレベルの内容をそのままテレビで放送したならすごいや。2025/10/10
          
        

              
              
              
              

