広重と浮世絵風景画

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  • サイズ A5判/ページ数 317,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130802086
  • NDC分類 721.8
  • Cコード C3070

出版社内容情報

虚構と現実が錯綜する風景画はいかにして生み出されたのか。広重の卓抜な空間造形の手法を分析する。カラー口絵8頁・図版160枚。

内容説明

吉原、両国、日本橋…名所絵に隠された技。透視図法や遠近法を駆使し、江戸人たちの名所イメージを巧みに描いた広重。その卓抜な空間造形の手法を解き明かす。

目次

序章 浮世絵風景画研究史と本書の視点
第1章 浮絵の精神史
第2章 広重の名所絵の種本と空間構成
第3章 広重に見る江戸名所絵の定型
第4章 “名所江戸百景”考―大都市江戸の伝統へのまなざし
第5章 浮世絵風景画における四条派の影響
第6章 銅版画と浮世絵風景画
第7章 『日本名山図会』と浮世絵の風景表現

著者等紹介

大久保純一[オオクボジュンイチ]
1959年徳島県に生れる。1982年東京大学文学部美術史学科卒業。1985年同大学大学院博士課程中退。名古屋大学文学部、東京国立博物館、跡見学園女子大学を経て、国立歴史民俗博物館研究部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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硬派な研究系の本。版元の所在地による浮世絵の傾向の変化や、名所江戸百景における江戸名所図会などの種本=元ネタの存在。現代の典型的な観光写真のように、江戸時代にも名所絵の典型があり、大衆に受けるために図像が記号化されて消費されたこと(シュミラクル)本を元ネタとしながらも、広重は透視図法を生かしてリアリティのある空間を生み出したこと。亀戸梅屋敷など名所江戸百景の有名作(近像型構図)は後期に位置付けられること。亜欧堂田善や京都四条派の影響など知らないことが山ほどあった。勉強になった。2017/04/23

h k

1
日本の絵画と遠近法の関係について興味があり、その中でこの本とも出会った。 遠近法についての話ももちろんのこと、さらに浮世絵師たちが先行する図版にかなり影響を受けて絵を作っていたという部分が印象的だった。 他の挿絵や絵本を参照しながら、そこに遠近法による臨場感や叙情性を加味することで魅力的な画面を組み立てていくという広重の手法は現代的にも感じる。 かなり多方面から考察を加えていて大部分はまだ未消化だが、浮世絵についてほとんど何も知らない素人としては、これからの勉強の糸口が沢山発見できる良書だった。2020/09/16

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