出版社内容情報
酒井抱一「観音図」,江戸中期の京都に現れた「桜画」,松平定信の大名庭園「浴恩園」,北斎「西瓜図」等をテーマに,江戸人たちの〈言説〉と〈表象〉を,緻密な資料分析をふまえ,絵画が響かせる〈音〉を聴きながら鮮やかに解き明かす.近世絵画史研究の新地平を切り拓く労作.図版160点.
内容説明
美術史と文化論の彼方へ。酒井抱一「観音図」、江戸中期の京都に現れた「桜画」、松平定信の幻の大名庭園「浴恩園」、北斎「西瓜図」等をテーマに、江戸人たちの“言説”と“表象”を、鮮やかに解き明かす。気鋭研究者の最新作。
目次
第1章 追善の形象―江戸琳派の草花と“文学”
第2章 花惜しむ人―桜狂の譜・三熊派
第3章 「養生」の庭―大名庭園の“画”と“紀行”
第4章 北斎花鳥画のフォークロア―葛飾北斎筆「西瓜図」と七夕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すみの
34
先日読了した『花の変奏』にも取り上げられていた著者作品。*第一章/江戸琳派、酒井抱一の描く光琳追善の草花*第二章/三熊派の狂桜に相応しい桜画の数々*第三章/大名庭園『浴恩園』の影響*第四章/北斎「西瓜図」に見る七夕の印…この七夕の織姫と彦星の星々が目を凝らしてみたらちゃんと描かれてあることに感動。西瓜の上に置かれた濃紺の包丁に微かに光る点を描きながら、北斎がニヤッと笑っていそうだ。2017/02/22
ブルーローズ
0
あくまで浮世絵ではなく絵画です。対象は。ですから北斎の「西瓜」などもでてきます。読み応えあり。2009/11/18