善意と悪意の英文学史―語り手は読者をどのように愛してきたか

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善意と悪意の英文学史―語り手は読者をどのように愛してきたか

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  • サイズ B6判/ページ数 286,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784130801065
  • NDC分類 930.26
  • Cコード C3098

出版社内容情報

英・米・アイルランドの小説と詩を題材に、語りの中にひそむ読者、登場人物、世界に対する態度の作り方を通史的に読み解く。

ヨーロッパ近代は「礼節」の時代だった.文学作品の語り手も,読者や登場人物に対し,愛や配慮や善意をたっぷり示す.が,その裏には悪意や不機嫌,嫌悪も垣間見える.「善意の政治学」を軸に,英・米・アイルランドの近現代文学を大胆に読み直した,独創的で味わい深い一冊.

<a href="http://www.utp.or.jp/topics/files/2015/80106">はじめに(試し読みができます.PDF・2MB)</a>
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I 「善意」の文化――16?19世紀の英国
第1章 英会話の起源――デラ・キャーサ『ギャラティーオ』(1558),クルタン『礼節の決まり』(1670)
第2章 女を嫌うという作法――『チェスタフィールド卿の手紙』(1774)
第3章 作家の不機嫌――ジェーン・オースティン『高慢と偏見』(1813)
第4章 イライラの共和国――ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(1865) 
[インタールード1]児童文学とですます調――江戸川乱歩『怪人二十面相』(1936-52)

II 「丁寧(ポライトネス)」に潜むもの――17?19世紀の英・米
第5章 拘束の歓び――ウィリアム・シェイクスピア『ソネット集』(1609)
第6章 登場人物を気遣う――ナサニエル・ホーソーン『七破風の屋敷』(1851)
第7章 やさしさと抑圧――ジョージ・エリオット『サイラス・マーナー』(1861)
[インタールード2] 遠慮する詩人――宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(1933)

III 「愛」の新しい作法――20世紀の英・米・アイルランド 
第8章 性の教えと不作法――D・H・ロレンス『チャタレー夫人の恋人』(1928)
第9章 目を合わせない語り手――ウィリアム・フォークナー『アブサロム,アブサロム!』(1936)
第10章 冠婚葬祭小説の礼節――フランク・オコナー「花輪」(1969),ウィリアム・トレヴァー「第三者」(1967)
第11章 無愛想の詩学――ウォレス・スティーヴンズ「岩」(1954)


おわりに
文献

【著者紹介】
阿部 公彦
阿部公彦:東京大学大学院人文社会系研究科准教授

内容説明

小説家って、けっこう人が悪いんですね。嘘と謀略、善意と愛―語り手の「礼節」から、英語圏の作品を大胆に読み直す。

目次

1 「善意」の文化―一六‐一九世紀の英国(英会話の起源―デラ・キャーサ『ギャラティーオ』(一五五八)、クルタン『礼節の決まり』(一六七〇)
女を嫌うという作法―『チェスタフィールド卿の手紙』(一七七四)
作家の不機嫌―ジェーン・オースティン『高慢と偏見』(一八一三)
イライラの共和国―ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(1865)
児童文学とですます調―江戸川乱歩『怪人二十面相』(一九三六-五二))
2 「丁寧」に潜むもの―一七‐一九世紀の英・米(拘束の歓び―ウィルアム・シェイクスピア『ソネット集』(一六〇九)
登場人物を気遣う―ナサニエル・ホーソーン『七破風の屋敷』(一八五一)
やさしさと抑圧―ジョージ・エリオット『サイラス・マーナー』(一八六一)
遠慮する詩人―宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(一九三三))
3 「愛」の新しい作法―二〇世紀の英・米・アイルランド(性の教えと不作法―D.H.ロレンス『チャタレー夫人の恋人』(一九二八)
目を合わせない語り手―ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(一九三六)
冠婚葬祭小説の礼節―フランク・オコナー「花輪」(一九五五)、ウィリアム・トレヴァー「第三者」(一九八六)
無愛想の詩学―ウォレス・スティーヴンズ「岩」(一九五四))

著者等紹介

阿部公彦[アベマサヒコ]
1966年横浜市生まれ。1992年東京大学大学院修士課程修了。1997年ケンブリッジ大学大学院博士号取得。2001年より東京大学大学院人文社会系研究科・文学部准教授。専攻は英米文学。『文学を“凝視する”』(2012年、岩波書店、サントリー学芸賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へんかんへん

5
語り手は読者をどのように愛してきたかって言葉良い2017/01/02

つまみ食い

1
近代イギリスでのマナーブックの成立と流行は新興ブルジョワ階級を中心に、言葉の形式や振る舞いの礼儀正しい作法を覚えれば階級上昇のチャンスがあると認識されていことを示すが、ここを起点に善意と悪意、あるいは偽善的なもの、偽悪的なものをテーマとしてイギリス、アメリカ、日本の文学を論じている2021/11/05

7ember

0
どの章も面白かったんですが、個人的にありがたかったのはジェーン・オースティンを論じた章だった。勝手にコミカルな皮肉屋のイメージにしていたオーシティンが、エミリー・ディッキンソンと見紛うような、実存主義っぽい抒情詩人のイメージで見えてくる体験が新鮮。2017/01/03

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