出版社内容情報
ブロードウェイを逃走し,身体のふるまいに舞台を移すアメリカの現代演劇.オニールからオフ・シアター,クイア演劇,パフォーマンス・アートまで,アメリカにおける<演劇性>のめくるめく変容を,学問と批評を切り結ぶ文体で論じる気鋭の著者,最新論文集.[アメリカ太平洋研究叢書]日本経済新聞書評でますます注目.
内容説明
この本は20世紀アメリカ演劇の重要事件を文化史・政治史の広い文脈のなかで捉え直し、その栄光と悲惨を浮き彫りにする。『セールスマンの死』、『ヘアー』、パフォーマンス・アート、『エンジェルズ・イン・アメリカ』…すべてがまったく違って見えてくるはずだ。といって、演劇を歴史に還元してしまう本ではない。愛、などとは間違っても口にする著者ではないが、この本の1ページ1ページが、演劇への静かな愛に貫かれている。
目次
1 ユージン・オニールとメロドラマ(オニールのメロドラマティズム;オニールのシアトリカリスム―3つの「ページェント劇」における劇空間とセノグラフィ)
2 メロドラマからパフォーマンスへ(1)戦後アメリカ演劇の展開(『セールスマンの死』の「物語」―その「社会劇」的過程;ヴェトナム戦争とアメリカ演劇(デイヴィッド・レイブの戯曲、あるいは怒れるヴェトナム帰還兵の醒めた眼;演劇の「広がり」から「深さ」へ))
3 メロドラマからパフォーマンスへ(2)ポスト・ヴェトナム世代の演劇(リー・ブルーアの『メッカ参拝』をめぐって;サム・シェパードの時代―自己拡散/自己表示から指示表出へ ほか)
4 世界演劇の地平とアメリカ―ミュラー/ウィルソン/バウシュ(バウハウスとアメリカ/前衛の「夢」とパフォーマンス―ヴァーグナー、シュレンマーからウィルソンへ;テクスト/歴史の復讐―ハイナー・ミュラーとロバート・ウィルソン ほか)
5 メディア、身体、アクティヴィズム―パフォーマンス・アートとは何か?(パフォーマンス・アートとは何か?;フェミニスト・パフォーマンスの系譜学 ほか)
著者等紹介
内野儀[ウチノタダシ]
1957年生まれ、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授
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感想・レビュー
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