出版社内容情報
文章経国思想を背景とする嵯峨期の漢詩文の隆盛は,承和朝を転換期として「詩人無用論」にいたる.菅原道真の栄光と没落を,中国文化が「日本化」し,文化と政治が連動した時代の変遷のなかにとらえ,道真の詩人としての本質,その比喩的表現の古今集へとつながりなどを,平安朝の文学史に位置づける.
内容説明
本書は、平安朝漢文学における儒教の受容や隠逸思想の性格を浮き彫りにしつつ、個々の漢詩文作品の読みを通して、菅原道真をはじめとする王朝の文人たちの内面に迫る。
目次
序 前近代の日本と中国
1 嵯峨朝の漢文学
2 転換期としての承和期
3 菅原道真の詩と思想
4 平安朝漢文学の展望
著者等紹介
藤原克己[フジワラカツミ]
1953年広島に生まれる。1976年東京大学文学部卒業。現在、東京大学大学院人文社会系研究科助教授
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