内容説明
高度な技術革新とその急速な浸透が進む、いわゆる「高度技術化社会」の中で、それに対応する人間側の条件が十分に整っていないことが問題となっている。かつてポスト・インダストリアルソサエティが論ぜられた時、林業政策の部面では、その課題を「みどりが価値ある社会」として受けとめた。「人と森林とのふれあいの場」をつくり、「高度技術化社会」の中で疎外されつつある人間の復権をはかる林政の方向も、明確となった。だが方向は明確となっても具体策はまだ模索の段階にある。価値体系の転換期の中で、林政として何を問題とし、何を進めて行かねばならないか。現実り政策は今それの吟味を強く求めていると言ってよい。本書はそれらの求めにいささかでも応えようとの意図からまとめたものである。
目次
第1章 森林文化政策の課題
第2章 林地開発許可制度と保安林補償制度
第3章 森林の多機能時代における所有形態
第4章 林業労働における労働災害防止問題
第5章 農家造林の展開基盤
第6章 木材需要の構造変化と木材流通
第7章 森林の文化的環境的経済均衡論
第8章 欧米における森林資源管理制度の現状と方向
第9章 フランスの国家林業基金制度
終章 入会的諸関係の現代的意義