出版社内容情報
現生人類であるホモ・サピエンスは、アジアの多様な自然のなかで、どのように移動し、生業を行い、社会適応をしてきたのか。更新世、完新世、人新世の3つの時代を通して、多様な環境適応力をもつホモ・サピエンスの「人間らしさ」を探っていく。
【目次】
序論――人類の移動と環境適応の歴史(池谷和信・斎藤玲子)
Ⅰ ホモ・サピエンス史の視角――人類・文化・文明
1 ホモ・サピエンスと共存した原人・旧人(海部陽介)
2 狩猟採集民と農耕民の出会いに関する数理的考察(井原泰雄・河西幸子)
3 移動形態の多様性――ヒマラヤの牧畜民からの視点(渡辺和之)
4 移動・生業・社会――焼畑民からの視点(佐藤廉也)
Ⅱ 更新世の多様な環境と狩猟採集民
5 更新世アジア北部における寒冷地適応――生業と遊動性をめぐって(高倉 純)
6 西アジアにおける狩猟採集――ホモ・サピエンス出現前後に何が起きていたか(門脇誠二)
7 更新世の日本列島における森林適応――人口動態と資源利用(山岡拓也)
8 ウォーレシアにおける島嶼・海洋適応(小野林太郎)
Ⅲ 完新世の農耕・牧畜の拡散と狩猟採集民
9 東アジア,縄文から弥生の植物資源利用の維持と変化(佐々木由香)
10 弥生人の拡散と縄文人――DNA分析から見た水田稲作の拡散(藤尾慎一郎)
11 先史時代の狩猟採集から農牧業への転換――南東アラビアの事例(近藤康久・黒沼太一)
12 定住狩猟採集民の農耕導入と集団間関係――民族考古の視点(池谷和信)
13 東南アジアにおける狩猟採集民と農耕民の関係(中井信介・池谷和信)
コラム1 西アジア――定住狩猟採集社会の形成と展開(三宅 裕)
コラム2 奄美・沖縄諸島――先史時代島嶼環境における狩猟採集漁撈民(高宮広土)
Ⅳ 人新世の狩猟採集民と近代文明
14 寒冷地のオビ川流域における漁撈適応――湖と河川を比較する(大石侑香)
15 オーストラリア(乾燥帯)先住民の移動の近代(平野智佳子)
16 熱帯林における環境適応と民族関係――マレー半島の川と森をめぐるバテッの家族史から(河合 文)
17 日本におけるアイヌの近代――和人の移住と政策に注目して(齋藤玲子)
コラム3 ネパールの狩猟採集民「ラウテ」の存続と変容(稲村哲也)
コラム4 ボルネオ狩猟採集民の社会的適応――工芸品・婚資・社会集団(加藤裕美・池谷和信)
終章――アジアのホモ・サピエンスの環境適応論(池谷和信)



