出版社内容情報
野生動物も人間も、被害者にも加害者にもならず、ともに生きていくために! 小さなエゾモモンガから大きなヒグマまで、そしてエゾリスなどの普通種からタンチョウなどの希少種まで、豊かな大地に暮らす野生動物の存在と人々の生活を両立させるためのさまざまな挑戦。
内容説明
野生動物も人間も、被害者にも加害者にもならずに、ともに生きていくために!
目次
第1章 野生動物の救護
第2章 ロードキルからロードエコロジーへ
第3章 野生動物の通り道
第4章 身近な隣人と付き合う
第5章 増えた希少種と付き合う
第6章 大型動物と付き合う
第7章 野生動物とともに
著者等紹介
柳川久[ヤナガワヒサシ]
1959年山口県に生まれる。現在、帯広畜産大学畜産学部名誉教授、農学博士。専門:野生動物の保全管理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taku
15
著者は十勝地方で野生動物と長年向き合ってきた方。ロードキル、ロードエコロジー対策、防風林、河畔林と動物のネットワークは特に気づきが多かった。移・食・住を考えて行う対策。様々な動物の都市化が問題視されるなか、互いに距離を保ち、害を回避する取組みに終わりはない。人と野生動物の勢力範囲が変わってきて、共存、共生の課題解決は重要性を増している。「ともに生きていける場所」の実現は、問題を乗り越え少しずつだろう。百も承知な方が目指し、夢見る世界に向かって、研究や調査が進むことを期待してる。良著です。2024/07/03
ろべると
6
帯広畜産大学で長く活動してきた著者。「野生動物も人も、被害者にも加害者にもならずに、ともに生きていける場所」を夢見ての活動や提言はすばらしい。高速道路を横切る動物のために実効的なアンダーパスを設置したり、カエルのために縁石に切り欠きをつけたり、ヒグマの行動を調査して、人間と遭遇しないように時間的、空間的な棲み分けを図ったり、人為的被害に遭った動物たちを保護して自宅で保護したりもする。夏に設置した水場でくつろぐヒグマの幸せそうな表情に「やってよかったな」と思う著者。まずは対等な立場での共生を図るべきなのだ。2025/06/14