内容説明
かつて植物細胞の“死んだ”部分といわれていた細胞壁は、戦後“生きた”細胞構成成分として認識されはじめた。その構成多糖類の化学の発展、生理学的機能に関する研究の蓄積が明らかにしつつある細胞壁の姿を、高等植物の1次細胞壁を中心に論じる。
目次
1 細胞壁とは何か(細胞壁の生物学的意義;細胞壁研究の歴史)
2 細胞壁の構造と性質(植物細胞の形と細胞壁;細胞壁の基本構造;細胞壁多糖類構成成分;細胞壁構造モデル)
3 細胞壁多糖類の生合成と分解(植物細胞壁と膜系;セルロースの生合成;非セルロース性多糖類の合成;細胞壁の分解)
4 植物細胞壁の性質(細胞壁の力学的性質の測定;応力緩和;細胞壁の化学的性質の測定)
5 植物の生長分化と細胞壁多糖類の代謝的変化(培養細胞の生長と細胞壁の変化;植物個体の生長と細胞壁の変化;オーキシンによる細胞生長と細胞壁の変化;その他のホルモンの作用;細胞壁断片の生理的活性)



