出版社内容情報
建築の原点は何か?人間は空間に対しどのような認識を持って建築をつくってきたか?本書は建築とは古今東西人々の共有のものであることを設計する側の立場から改めて見直し,建築の諸要素を500枚の図版とともに示しつつ著者の到達した理論を展開する.
内容説明
人は何によって建てるのか。建築を見る楽しさ、建築に住む喜び、建築を創る興奮を、建築を学ぶ人、建築を愛する人、すべての人に向かって平易な言葉と豊富な実例によって語りかける。東京大学における講義の集大成。
目次
第1回 空間について―住むことと建てること
第2回 部屋について―中心と囲い
第3回 部屋の集合について―囲いと共同体
第4回 窓について―空間と光
第5回 続 窓について―光と闇
第6回 入口について―開くことと閉じること
第7回 場所について―地形と記憶
第8回 表象について―住むことと表わすこと
第9回 モティフについて―支えることと囲うこと
第10回 意匠について―闘争と一致
第11回 分解について―還元と狂気
第12回 秩序について―創作と時代性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばにき
3
建築は空間の秩序づけと筆者は定義する。理念が大事になるんだろうな。2018/12/05
シソーラス
3
ルイス・カーンのお弟子さん、香山壽夫先生の講義録。哲学や芸術論を織り交ぜながら建築の変遷を解き明かしていて、まあまあ理解できた気がする(後半は難解)/劇場は「ともに見る人を囲むように作らねば充分でない」という意見はなるほどと思った。例に挙がってはいなかったけれど、スポーツを生で観る喜びは観客の一体感によるものがかなりあるだろうなと2017/07/09
Holy Boon
0
読後、伊万里トラスピチヌ修道院に見学に行く。 シトー会関連では、フェルナン・プイヨンの『粗い石』を読んでいたので、点と点がリンクした。2015/12/07
🥸
0
建築意匠論 建築家の特性、空間の秩序づけと空間を構成する要素についての教え。 囲いモティフ/支えモティフのバランスを歴史と共に振り返るのはとても面白い。 建築への深い愛情、まだ見ぬ建築の可能性を楽しんでいることが随所から感じられる。2022/08/05