出版社内容情報
宇宙飛行体は超高速で飛行するため、まわりの気体は圧縮性や粘性効果により複雑な物理現象を伴う。本書はこのような飛行時の複雑な現象を解明するための完全気体と熱的・化学的非平衡性をもつ気体の基礎的説明および数値解析法などを概観する。
内容説明
本書では高速の宇宙飛行体の飛行時に生じる熱気体力学的現象を解説し、飛行隊の空力特性への効果とともに、とくに顕著な熱気体力学的現象である空力加熱について述べる。同時に、この背景となる圧縮性流体の取り扱いと反応性気体力学の基礎、および空力加熱現象の諸問題と推算法を解説するとともに、高速・高エンタルピー流の数値解析法および実験法についても概観する。
目次
第1章 序論
第2章 宇宙飛行体まわりの流れの特性と基礎方程式
第3章 熱的非平衡性と化学的非平衡性のある流れ
第4章 空力特性
第5章 空力加熱とその防御法
第6章 熱気体力学実験法
第7章 数値流体力学による熱気体力学へのアプローチ
第8章 将来の宇宙飛行体への熱気体力学の貢献
著者等紹介
久保田弘敏[クボタヒロトシ]
工学博士。1941年和歌山県に生れる。1965年東京大学工学部航空学科卒業。1970年東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程修了。科学技術庁航空宇宙技術研究所技官、主任研究官、NASAエイムス研究所NRC研究員等を経て、現在、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻教授
鈴木宏二郎[スズキコウジロウ]
工学博士。1962年東京都に生れる。1985年東京大学工学部航空学科卒業。1990年東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程修了。1990年宇宙科学研究所(宇宙輸送研究系)助手。1995年東京大学大学院工学系研究科(航空宇宙工学専攻)助教授を経て、現在、東京大学大学院新領域創成科学研究科(先端エネルギー工学専攻)助教授
綿貫忠晴[ワタヌキタダハル]
工学博士。1945年長野県に生れる。1964年航空宇宙技術研究所に入所。1969年東京理科大学物理学科卒業。1985年東京大学工学部航空宇宙工学科に出向。現在、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻助手
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