出版社内容情報
該博な知識をふまえて空間を説くことでは定評のある故ラスムッセン教授の名著の日本語版.多数の図とスケッチを入れた原書のスタイルをそのまま再現し,有名な都市や歴史的建築にひそむ文化的背景と建築的意図を読み解く術を,素人にもわかるように教える入門書.
目次
神殿としての都市
植民市
ルネサンスの理想都市
大パースベクティヴ
永遠の都ローマ
三銃士のパリ
ヴィラ
オランダの貢献
シャルロッテンボー
二都物語
デンマークの間奏曲
新古典主義
都市の郊外
パリのブールヴァール
土地と投機
機能主義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵐窟庵
3
ロンドンリージェント街の設計者ジョンナッシュの信奉者でルコルビュジェと親交があった19-20cのデンマークの都市計画家ラスムッセンによる都市論。美しい図版が豊富で、理想的平面のパラディアンでもあり、都市のオベリスクなどのモニュメンタル主義者でもあり、パリ改造のオスマン主義者でもある、歴史主義者で多面的な彼の都市像が述べられている。19cのロンドンとパリについて、パリ改造に匹敵する事業がロンドン地下鉄でありそれによりパリは集積化し、ロンドンは散逸化したという二都物語の見立ては新鮮かつなるほど共感できた。2020/02/18
misui
2
『二都物語』として密集型のパリと散開型のロンドンを都市の類型と考えるのが面白い。特にヨーロッパは市壁の存在が重要で、およそどの都市も市壁に対してどのように対処したかで都市の性格は変わってくるのだろう。並べて見ていくとやはりパリが魅力的だった。2021/01/16