出版社内容情報
常に幅広い視野をもち,深い洞察力と鋭いアイディアで日本の火山学・地球科学をリードしつづけた著者の生前の集中講義録.やさしく明快でユーモアをまじえた語り口は,地球科学の面白さを伝えてあますところない.その後の研究の進歩を補い,業積目録を付す.
目次
第1部 火山とプレートテクトニクス―1984年高知大学集中講義
第2部 地震の話―地質屋の地震観
第3部 火山とテクトニクスその後の研究
第4部 中村一明の生涯とその業積
中村一明主要著作目録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
53
自分の地球科学に対する理解を大いに助けてくれた一冊。著者による84年の高知大学集中講義を文章に起こしたものが中心。一応、専門書だが非常にわかり易い。マグマ溜りは本当にあるのか?何故あのような位置になければならないのか?など単純な疑問から、未だ完全には認められていなかったプレートテクトニクスに基づいた火山や地震の統一的解釈まで、大いに納得した。著者中村一明先生は東大地震研究所教授在任中の87年、54歳で亡くなられ、本書は氏の業績を偲んで同僚らにより上梓された。表紙写真は全島避難に至った86年伊豆大島噴火。2019/06/22
naka_jun0
1
火山を地震や圧縮場から観察する。側火山やプレートテクトニクスについて解明されていなかった当時の考え方や観測法が書かれている。模式的というより実例を。 火山学を一通り学習した人なら目新しい知識はない。 p117の放射状岩脈と平行岩脈群に似た図は自分が履修した火山学のレジュメにも使われてます。2020/11/08