出版社内容情報
オープンダイアローグは地域精神医療の包括的なアプローチで、近年世界的な注目を集めている。この「対話実践」の背景となった思想の源流を辿り、ラカン派の精神分析、現象学、哲学対話といった現代哲学のアプローチとの関係を論じる。オープンダイアローグの思想的基盤を多面的に描き出す。
内容説明
この対話実践の源流にあるものとは。世界的に注目される精神医療の思想の根源を探り、現代哲学の様々なアプローチとの関係を多彩に描き出す。
目次
1 オープンダイアローグの思想の源流(オープンダイアローグの思想;ベイトソンを学ぶのは何のため?―関係性言語という語学;ナラティヴ・アプローチとオープンダイアローグ;コンテクストとしてのリフレクティング;バフチンの対話の哲学)
2 オープンダイアローグと現代の思想・哲学(「対話」の否定神学;精神分析とオープンダイアローグ;現象学とオープンダイアローグ―フッサール、デネット、シュッツ;哲学対話とオープンダイアローグ;ダイアローグの空間―哲学カフェ、討議、オープンダイアローグ;レヴィナスとオープンダイアローグ)
著者等紹介
石原孝二[イシハラコウジ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は科学技術哲学、精神医学の哲学
斎藤環[サイトウタマキ]
筑波大学医学医療系教授。専門は精神医学、精神保健学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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オープンダイアローグの思想の源流 オープンダイアローグの思想: ベイトソンを学ぶのは何のため ナラティヴ・アプローチとオープンダイアローグ コンテクストとしてのリフレクティン バフチンの対話の哲学 オープンダイアローグと現代の思想・哲学: 対話の否定神学 精神分析とオープンダイアローグ 現象学とオープンダイアローグ─フッサール、デネット、シュッツ 哲学対話とオープンダイアローグ ダイアローグの空間─哲学カフェ、討議、オープンダイアローグ レヴィナスとオープンダイアローグ すべての思想を対話に置き換えること2022/05/18
mori-ful
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「対話によって精神病の患者のケアをする場合、当初は了解困難だった彼らのモノローグは、次第に了解可能で共有可能なダイアローグに開かれていく。この過程こそ、否定神学が機能不全に陥った言語空間の、再否定神学化にほかならない」(斎藤環)2024/01/20