出版社内容情報
真核生物の形造りについて,要素論的立場から形態形成に与かる遺伝子とその発現制御,細胞集合による形態形成を調節する諸因子と作用機序,細胞の特異化と制御機構,高次組織形態の恒常性維持機構,再生現象にみられる形成プロセスにおける可塑性などを概説.
目次
卵・精子形成の謎解き(ホルモンによる卵・精子の成熟;卵の細胞周期を調節するしくみ;精子の形はどのようにしてつくられるか;精子をつくる遺伝子の発現;両生類胚の背腹軸の決定と形成)
細胞に個性を与える遺伝子(ホヤの筋肉細胞はどのようにしてできるか;どうしてクリスタリン遺伝子は水晶体細胞で発現するか;遺伝子の発現から見る細胞の変身;強発癌性12型アデノウイルスの癌遺伝子E1Aの転写調節機構の研究;ショウジョウバエrafと細胞の増殖・分化;哺乳動物のPOU転写調節因子群;細胞周期に依存して発現する植物ヒストン遺伝子の特徴と転写調節)
形造りの遺伝子(ホメオボックス遺伝子と形態形成;哺乳類発生過程において遺伝子発現を調節する遺伝子群;ショウジョウバエの発生にかかわる塩基特異的DNA結合因子)
外来遺伝子の振る舞い(アンチセンス遺伝子導入による特定遺伝子発現の抑制;δ‐クリスタリン・エンハンサーにみる遺伝子制御の厳密さと柔軟さ;メダカに導入されたニワトリ遺伝子の振る舞い)