目次
序章 『美育書簡』解釈史へのアプローチ
第1章 シラーの生涯と『美育書簡』の概観
第2章 ゴルディアスの結び目は解かれたか?―カッシーラー
第3章 仮象と崇高―ガダマー、ニーチェ、リオタール
第4章 「美しい仮象の国」の現実的可能性?―マルクス主義者たち
第5章 美とコミュニケーション的理性―ハーバーマス
第6章 美における自由―シュタイナー
第7章 絶対無としての美―木村素衞
終章 懐疑と憧憬、彼方と今、ここ
著者等紹介
西村拓生[ニシムラタクオ]
1962年、長野県生まれ、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中途退学。博士(教育学)京都大学。現在、奈良女子大学研究院人文科学系教授。2021年9月より立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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『美育書簡』解釈史へのアプローチ シラーの生涯と『美育書簡』の概観 ゴルディアスの結び目は解かれたか? 仮象と崇高 仮象は生を救済するか?−ニーチェの仮象論とシラー 「美しい仮象の国」の現実的可能性? 美とコミュニケーション的理性 美における自由:「精神の自由」を可能にする社会構想 絶対無としての美:「内」と「外」との「弁証法」 イデアの生成と歴史性 懐疑と憧憬、彼方と今、ここ: 「美と教育」のスペクトル 思想史研究の意味をめぐって 「美と教育」の語り直しのために 「おお友よ、このような調べではなく!」2021/07/20
yu-onore
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美的なものや感性の意義を認識の基礎付けとするか、あるいは人間の内側にある自由の解放とするかという分裂が読み取れた気もして面白い。シラーが辛うじて行かなかった(ゆえにガダマーに感性的な領域を自律させて現実から切り離しているというような批判をされる)、仮象の世界こそ本質であるというニーチェ的方向性がポストモダンに影響しつつも、その美的調和に亀裂を入れるような崇高がバランスを取るようにリオタールらに注目されたのが興味深い。2021/12/02
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