出版社内容情報
日本の戦後教育学を主導した一人である勝田は,京都学派の哲学的土壌からなにを思索し,それは彼の教育学にどのようにつながることになったのか.初期勝田の思想的軌跡を和辻倫理学などからたどり,のちの道徳教育論争などにみるその展開にせまることで,戦後教育学の水脈に新たな照明をあてる.
目次
序章 若王子の勝田守一
第1章 二つのみやことそのあいだで―初期勝田守一の歩み
第2章 シェリング研究における「非合理的なもの」をめぐる思考
第3章 京都学派の思想圏における思考形成―三木清の歴史哲学・「西田・田邊論争」・和辻倫理学
第4章 戦前・戦中期における他者あるいは他者と共にあることをめぐる問題―和辻倫理学と「われら」の哲学
第5章 三つの座談会―勝田守一と/の「近代の超克」、「世界史の哲学」
第6章 戦後道徳教育論争の一断面―天野貞祐と勝田守一
終章 郷愁と回帰―忘却された思想の水脈へ
著者等紹介
桑嶋晋平[クワジマシンペイ]
1986年生まれ。2013年首都大学東京大学院人文科学研究科修士課程修了、2019年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了、博士(教育学)。現在、東京大学大学院教育学研究科教育学研究員(2021年4月より九州看護福祉大学に専任講師として着任予定)。2019年、「戦前・戦中期の勝田守一における他者あるいは他者とともにあることをめぐる問題」(『教育学研究』第85巻第3号、2018年9月)に対し、教育思想史学会より奨励賞を授賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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