出版社内容情報
欧米の多様な数学が啓蒙的に導入された鹿鳴館時代から,普通教育としての枠組みが確立された日清戦争後の国民国家形成期を経て,経験主義と人的資本論に基づく画一的な教育への変革が起きた戦時期まで.先哲たちによる中等教育における数学の導入・定着・改造の系譜を探り,その構造に迫る.
目次
近代日本の数学教育への視点
第1部 啓蒙としての数学教育の導入―「学」か「術」か(「算数学」と「算術」―論争とその帰結;菊池大麓の幾何学教育思想)
第2部 数学教育の制度化―国民教育の構造(藤沢利喜太郎の教育理論の再検討―「算術」と「代数」;「理論流儀算術」の持続とその歴史的文脈;高等女学校用の数学の出現と変化―中学校用教科書との比較)
第3部 数学教育改造運動の諸系譜(日本中等教育数学会による改造運動の統合;小倉金之助の「直観」と「論理」;実業諸学校における産業主義の系譜 ほか)
近代日本の数学教育の構造
著者等紹介
佐藤英二[サトウエイジ]
1964年生まれ。1987年東京大学工学部卒業。住友電気工業(株)勤務を経て、1992年東京大学教育学部卒業。1997年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、武蔵工業大学専任講師を経て、明治大学文学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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