開発の時間開発の空間―佐久間ダムと地域社会の半世紀

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  • サイズ A5判/ページ数 417p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130560627
  • NDC分類 517.7
  • Cコード C3036

出版社内容情報

1956年竣工の佐久間ダムは戦後初の巨大プロジェクトであった.それから半世紀,ダムとともに誕生した町は平成の大合併によって姿を消した.構築から解体に至る戦後開発が埋め込まれた「時間と空間」をグローバル,ナショナル,ローカルな視点から解明する.

目次

「佐久間ダム」研究の課題と方法
1 立ち上がる戦後開発(佐久間ダム建設と流域経済圏の変容―水利権の視点から;「理想追求への火」―TVA思想、民主化、そして自立;ダム建設という「開発パッケージ」―「外地」から「国土」そして「アジア」へ;地域社会における「開発」の受容―動員と主体化の重層的過程 ほか)
2 開発の時代とその終焉(ポスト・ダム開発の半世紀―地域社会に刻まれる佐久間ダム建設のインパクト;ポスト佐久間ダム開発期における地域文化統合様式の歴史変容;記憶のなかの佐久間ダム―「ぶれ」と「濁り」の創発力;佐久間ダム開発後の山村生活―ある木材業者とその家族の暮らしぶり ほか)
開発の時代を超えて

著者等紹介

町村敬志[マチムラタカシ]
一橋大学大学院社会学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Mealla0v0

7
戦後初の巨大土木プロジェクト"佐久間ダム"。戦後日本における開発は、①資本=国家の連携に向けた社会再編=開発政策、であると同時に、②貧困と後進からの解放としてのローカルな実践=開発運動、の上下双方のものであった。本書では、とりわけ②の方向性に注力した研究が多く、開発が人々の日常にどう浸透していったかを提示する。つまり、佐久間は一方的に国家に翻弄される山村だったのではなく、林業・鉱業での開発経験を持ち、開発を自ら誘致する主体性も持ち合わせていた。開発を「抱きしめた」のだ。この力学に向き合う必要がある。2022/11/01

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