出版社内容情報
21世紀の市民社会における階層システムはどうあるべきか.平等=正義,不平等=悪というイデオロギーを超えて,公平原理と公共的価値の必要性を説く.さらに政治・教育の課題,社会的弱者の問題,グローバル時代の市民権など,今後の階層研究のあり方を提起する.
内容説明
本書は、近代社会の歴史を階層システムの変容としてとらえるという視点を提示している。これは、「階級」という狭く限定された概念枠組みや、「構造」という固定されたイメージを超えて、階層的諸現象が政治、経済、教育、家族、社会意識などと複雑に絡み合って社会のしくみを構成している。そのしくみが近代において変容を遂げてきた。そして、さらに変容しつつあることを考察している。
目次
1 これからの市民社会(平等社会から公平社会へ―新しい市民社会における資源配分原理;階層システムの公共哲学に向けて)
2 政策課題(階層と政治;新しい市民社会の高等教育―市民による市民のための大学 ほか)
3 新しい市民像(「階級」のレクイエム―ポスト「階級」社会の市民ポリティクス;社会的活動 ほか)
4 階層研究の今後(市民社会の未来と階層階級の現在―「中」社会の終焉から;「閉じた階層研究」から「開かれた階層研究」へ―グローバル時代の階層問題と「日本社会」)