出版社内容情報
学歴主義の風潮は,日本社会の機会構造をどのように組み替えたか.「平等」と「効率」のはざまで,現代社会は学校制度にどんな意味を与えようとしているのか.進学競争の実態,教育と労働市場の関係から,「豊かな社会」における教育の階層化機能を検証する.
内容説明
戦後の日本社会は、学歴を職業界のパスポートに利用することによって、教育に対する人々の熱望を一方的に高めてきた。そうした形での教育の拡大は社会の機会構造をどのように組み替え、全体社会の階層構成にどんな影響を及ぼしてきたのか。また、学歴取得競争に深く関わってきた戦後生まれの世代は現在の階層状況をどう認識し、評価しているのか。本書が取り組んでいるのは「学歴社会」にまつわるこうした問題についてである。
目次
1 教育機会の趨勢(階層研究と教育社会の位相;教育機会の格差は縮小したか―教育環境の変化と出身階層間格差 ほか)
2 教育と職業(教育と職業のリンケージ―労働市場の分節化と学歴の効用;学歴社会の未来像―所得からみた教育と職業 ほか)
3 教育意識の変容(高学歴志向の趨勢―世代の変化に注目して;大衆教育社会のなかの階層意識)
4 近代社会と学歴(近代階層理論の浸透―高度成長期以降のライフコースと教育;「知的階層制」の神話)
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