出版社内容情報
アジアの諸社会(インド,中国,韓国,日本,東南アジア)を主たる対象としながら,社会構造の比較を旨とする社会人類学の分析方法,考察の特色を提示.東京大学での講義をもとに書き下ろされた著者ならではの価値ある概説書.
内容説明
本書は、アジアの諸社会を主たる対象としながら、社会人類学の分析方法、考察の特色を提示するものである。いいかえれば、アジア諸社会の理解に役立つ社会人類学の基本的アプローチ、とくに社会構造の比較分析の主要な方法を論述するものである。本書の主要な部分は、インド・中国・韓国(朝鮮)・日本・東南アジアの諸社会の比較研究である。したがって、本書はいわゆる社会人類学の概説書ではない。
目次
第1章 フィールドワークの意味
第2章 社会の比較
第3章 血縁・婚姻に関する概念とシステム(血縁に関する概念用語;父系制・母系制;エクソガミー;母の兄弟;イトコ婚について)
第4章 家族・世代交替に関するシステム(居住形態と家族構造;財産相続;地位の継承―とくに首長・王位の継承)
第5章 複合社会の構成と統合のプロセス(中国とインド―少数民族との関係;インドネシア;フィリピン;マレーシア;ネパール、シッキム)
第6章 階層(社会階層の形成とその機能;インドのカースト;東アジアの階層)
第7章 集団構造(中国;韓国)
第8章 ネットワーク―東南アジア的人間関係(家族と村落―周縁部の可変性;二者間関係を核としたネットワーク)