出版社内容情報
現代の教育思想家ビースタの最初の理論的単著,待望の全訳.アレント,デューイらをひもとき,主体,デモクラシーの語り方の再定位をおこない,教育の私事化批判のさらにさきに,教育の固有性を考える思想的基礎に果敢に踏み込んでゆく.
目次
プロローグ 教育と人間的であることの問い
第1章 学習に抗して―学習の時代に教育の言語を取り戻す
第2章 現れ出来すること―主体の死の後の教育
第3章 何も共有していない人たちの共同体―教育と応答可能性の言語
第4章 教育はどのように困難であるべきか
第5章 教育のアーキテクチャ―世界的空間を創出する
第6章 教育とデモクラティックな人格
エピローグ 中断の教育学
著者等紹介
ビースタ,ガート[ビースタ,ガート] [Biesta,Gert J.J.]
1957年生まれ、メイヌース大学(アイルランド)教授。ルクセンブルク大学、ブルネル大学ロンドン教授等を経て現職
田中智志[タナカサトシ]
東京大学大学院教育学研究科教授、博士(教育学)
小玉重夫[コダマシゲオ]
東京大学大学院教育学研究科教授、博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
学習に抗して―学習の時代に教育の言語を取りもどす: 信頼 暴力 責任 教育のために 現れ出来すること―主体の死の後の教育: 教育の主体 人間の終焉 主体の後にだれがくるのか 客体空間のバーチャル・リアリティ 離接的空間 間主観的空間 倫理的空間 何も共有していない人たちの共同体―教育と応答可能性の言語 政治と政治的共同体 ハンナ・アレントと政治の困難さ 活動の苦難 自由,活動,複数性 自由が現れうる空間 教育のアーキテクチャ―世界的空間を創出する 教育とデモクラティックな人格 中断のペタゴジー 2021/10/18
Satoru Nakanishi
0
主体的な学びを進める日本教育についての訳者後書が印象的↓ 現代日本では、人が主体であること、すなわち自律的で能動的で有能であることは、人間の人間的な理念のままである。そうであることは、他律的で受動的で無力であることを、あからさまに、ないしこっそりと侮蔑する習俗を生みだす。この侮蔑の習俗は、わざとらしい憐れみ、もっともらしい遠ざけ、作られた微笑みなどによって、自己防衛的に偽装されている。しかし、そうした偽装が剥がされるときがある。それは、自分や家族が重い疾病を患ったり、重い障害をかかえたりするときである。2025/04/30
ふるかわ
0
普遍的主体を前提とする学習ではなく、差異を湛えた諸人格の現われへ2022/05/09
ぺろりん
0
「カリキュラムは、獲得されるべき内容としてのそれではなく、特有の応答が許された実践としてのそれである」(28)「生徒たちが自分自身の唯一的な仕方でカリキュラムの提供する学習機会を活用することを容認する教育環境を要求する」(134)「カリキュラムは、生徒たちに伝達されるべき一連の知識と技能とみなされるだけではない。むしろ、カリキュラムは、生徒たちが探索したり利用したりする相異なる諸領域であり、そうした活動は、自分自身の唯一的な始まりを世界にもたらす特定の機会である」(135)2022/03/12
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