出版社内容情報
NPOは,生涯学習社会において市民的公共性にねざす教育力を形成しつつある.協働・参画型社会の担い手を育てる市民教育とオルタナティブな専門的・職業的人材養成の側面について,豊富な調査データをもとにNPOの教育力を解明する.
内容説明
NPOについての法制度的研究、公共政策的研究、経営学・経済学的研究を中心に、その活動実態と社会的意義を明らかにする研究が盛んにおこなわれている。今日では、NPOをつうじての市民参加や社会組織としての可能性に注目する政治学的研究や社会学的研究も活発化している。本書では、これらの研究分野のなかで未開拓といえる教育学的視点からNPOのもつ教育力に注目し、NPOがこれからの生涯学習社会にどのような役割を果たしうるか、また市民活動の担い手となる人材の養成・活用をおこなっているかという点をめぐって、共同研究による実態分析と理論的考察を試みる。
目次
NPOの教育力と協働・参画型社会の構築
第1部 教育の公共性をめぐる葛藤とNPO(NPOにおける学びの公共性;学校教育における公共性の再編成とNPO ほか)
第2部 NPOの教育力と参画型社会の学び(社会教育に対するNPOのインパクト;子どもNPOと参加型活動の促進 ほか)
第3部 NPOにおける人材養成と社会的環境整備(対人援助関連NPOと新たな専門性の形成;NPOで働く意味とスタッフの力量形成 ほか)
著者等紹介
佐藤一子[サトウカツコ]
1944年東京に生まれる。1974年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。埼玉大学講師、助教授、教授を経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は社会教育学・生涯学習論・イタリア成人教育論
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