出版社内容情報
豊かで平準化が進行する社会にあって,人々は受験や就職や昇進のレースになぜこれほどまでに焚きつけられるのか.マス・ディスタンクシオン・ゲームを煽る仕掛けとそのなかで生成される人間像を理論と実証からあざやかに解読する. 日経経済図書文化賞受賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
9
メリトクラシーとは血統や富ではなく、学歴など能力・業績によって社会的な位置が決まっていくしくみ。最初に世界のこれまでの枠組みを端的にまとめてくれているのだが、これが本当に明晰でわかりやすい。特に競争への参加意欲がどう加熱され冷却されていくかの理論には、自分の身もつまされる。その後の分析はおおむね80年代までが対象だが、枠組みがしっかりしてるから、折々で「今はどうだろう」と具体的に考えることを促がされる。学校や組織、格差について考えるには本当に良い助けになる本だと思う。2012/10/21
やっさん
5
メリトクラシーとは、能力主義とか実力主義のこと。日本の学歴社会と企業内におけるキャリア移動について書かれている。最初から階級による選別でふるい分けるイギリス。なるべく選別を遅延させ、敗者復活のチャンスがあるという幻想をもたせるアメリカ。日本は高校/大学の序列が細かく定められており、進路の修正がしやすい分、学歴志向が加熱し続けている。結果、高学歴取得が自己目的化してしまい、取得後どうしたいのかがみえなくなってしまっている。この辺が一番面白く読んだところかな。2011/03/01
taki
3
「メリトクラシー(meritocracy)とは、貴族による支配(aristocracy)や富豪による支配(plutocracy)になぞらえてメリトつまり能力ある人々による統治と支配が確立する社会のことをいう。」と、定義されます。 いわゆる血縁・コネ採用だった時代から、テストで能力を測って採用する時代への転換を指しています。 なのでタイトルを訳すと『日本の能力主義による支配について』でしょうか。 能力主義による支配の社会とは、言い換えると試験による選抜と競争の社会といえるでしょう。例えば大学入試2011/01/09
tk
0
これはいい本2011/08/04
wa3to
0
第二章が難しかった…2024/06/12