出版社内容情報
学校に行かない外国人の子どもたちが増えている.学習の機会を剥奪されてしまう,あるいは学校で文化の壁に直面する子どもたちの現実.ニューカマー外国人の置かれている状況や日本の学校制度の問題,支援のあり方などを分析しながら,より多文化に開かれた教育の姿を探る.
目次
外国人の子どもと日本の学校―何が問われているのか
1 不就学と子どもたちの教育環境(学校に通わない子どもたち―「不就学」の現状;学校教育システムにおける受容と排除―教育委員会・学校の対応を通して;日本的モノカルチュラリズムと学習困難 ほか)
2 外国人の子どもの生活世界と学校(「不登校」「不就学」をめぐる意味世界―学校世界は子どもたちにどう経験されているか;「中国帰国者」の子どもの生きる世界―文化変容過程と教育;子どもたちの教育におけるモデルの不在―ベトナム出身者を中心に ほか)
3 学習サポートと多文化の学校教育に向けて(地域で学習をサポートする―ボランティア・ネットワークが果たす役割;多文化に開かれた教育に向けて)
著者等紹介
宮島喬[ミヤジマタカシ]
立教大学社会学部教授
太田晴雄[オオタハルオ]
帝塚山大学人文科学部教授
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感想・レビュー
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Jane Doe
1
不修学に陥る日本に滞在する外国人の子ども。民族によって抱える問題も違ってくる。どんなバックグラウンドでも、日本にいる子どもの全てが、安心して教育が受けられる社会が来るといいけど。。。2011/02/07
yuka
0
自分の勉強用。 外国人の子どもと日本の学校教育について、子どもの国籍、保護者の在留資格などに分けて書かれており、それぞれの問題点などが分かりやすかった。「デカセギ」意識のまま定住化が進んでいること、就学が義務となっていないことが不就学を生んでいるといった現場レベルでの話が学術的にはどういった問題につながっているかというのが整理された。 自分としてのキーワードは「形式的平等教育」「適応」「日本人化」「母語の喪失」「同化」「ダブルスタンダード」「階層再生産」など。2014/09/01