出版社内容情報
南アジア社会を特徴づけるカースト文化を理解しようとするとき,〈ケガレ〉観念の探求は不可欠な意味をもっている.南インド村落でのフィールドワークと欧米人類学の批判的検討の中から,〈ケガレ〉観念の創造的地平に注目することを通じて,カースト社会論の再構築を目指す.
目次
序 〈地続き〉の人類学を求めて
第1章 ケガレ論からハリジャン研究へ
第2章 調査村の社会構造
第3章 ケガレ観念の本質と構造
第4章 「ケガレ」と血の供犠―「村の神」とその信仰
第5章 実践の中のケガレ観念
第6章 ハリジャンの社会・経済的立場
第7章 葬送儀礼のディスコース―カースト・レベルの戦略
第8章 「リネージの神」とその祭祀―リネージ・レベルの戦略
第9章 ミルク生産者協同組合活動にみるパライヤルの政治学―個人レベルの戦略
第10章 結論―「ケガレ」イデオロギーと戦略的ハリジャン