出版社内容情報
欧米アジア諸国のソブリン危機への対応を財政学の立場から検証し、福祉国家システムの新しい可能性を展望する。
行き過ぎた金融経済のグローバル化は,多くの国に深刻な財政危機をもたらした.欧米アジア各国のソブリン危機への対応を財政学の立場から検証するとともに,福祉国家システムの新しい可能性を展望する.
序 章 ソブリン危機と福祉国家財政(持田信樹)
第I部 金融危機と公的債務危機の連動:欧米
第1章 基軸国の動揺:アメリカ(岡田徹太郎)
第2章 欧州の異端児:イギリス(越智洋三)
第3章 揺れるEU統合の要:ドイツ(佐々木伯朗)
第4章 ディリジスムからの脱却:フランス(樋口 均)
第5章 連帯国家の変容:スウェーデンとデンマーク(岡本英男・岡田徹太郎)
第II部 「失われた20年」と福祉国家:日本
第6章 累積債務の圧力と財政運営(今井勝人)
第7章 財政健全化と持続可能な社会保障(永廣 顕)
第8章 政府間財政関係の変容(門野圭司)
第9章 国債累積を支える金融メカニズム(天羽正継・井手英策)
第10章 大震災と「分権型・参加型福祉国家」(井上博夫)
第III部 国際経済関係と福祉国家への胎動:アジア
第11章 東アジアの社会保障改革と財政(兪 和)
第12章 「生産的福祉」と社会保障改革:韓国(兪 和)
第13章 福祉国家に向かう経済大国:中国(田多英範・李 蓮花)
終 章 福祉国家と財政金融政策(岡本英男)
【著者紹介】
持田 信樹
持田信樹:東京大学大学院経済学研究科教授
内容説明
欧州を震源地とするソブリン危機のなかで、福祉国家財政がいかに再編されつつあるかを検証。それが現代財政の要をなす福祉国家的枠組みについて、どのようなインパクトを与えているか、世界各国の実態に即し、現代財政の歴史的位相を正確に捉える実証研究。対象とする時期は21世紀最初の10年間であり、採り上げた主な国としては、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、デンマーク、日本があり、東アジアについては韓国、中国が検討対象となっている。
目次
第1部 金融危機と公的債務危機の連動―欧米(基軸国の動揺―アメリカ;欧州の異端児―イギリス;揺れるEU統合の要―ドイツ;ディリジスムからの脱却―フランス;連帯国家の変容―スウェーデンとデンマーク)
第2部 「失われた20年」と福祉国家―日本(累積債務の圧力と財政運営;財政健全化と持続可能な社会保障;政府間財政関係の変容;国際累積を支える金融メカニズム;大震災と「分権型・参加型福祉国家」)
第3部 国際経済関係と福祉国家への胎動―アジア(東アジアの社会保障改革と財政;「生産的福祉」と社会保障改革―韓国;福祉国家に向かう経済大国―中国)
福祉国家と財政金融政策
著者等紹介
持田信樹[モチダノブキ]
東京大学大学院経済学研究科教授。1982年東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程単位取得退学。経済学博士(東京大学)
今井勝人[イマイカツヒト]
武蔵大学経済学部教授。1970年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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