出版社内容情報
この30年、「構造改革」が叫ばれさまざまな経済政策が実施されたにもかかわらず、なぜ日本経済は急速に衰退してしまったのか。日本経済凋落の構図を的確に捉え、複雑に絡み合った不振の要因を、あたかも病因を診断していくように丁寧に分析する。日本経済の過去・現在・未来を明確に認識するための書。
内容説明
日本経済を凋落させた原因を読み解く。長く「改革」が叫ばれ、多くの施策がとられながら、なぜ日本の「長期停滞」は克服できないのか。複雑に絡み合う不振の「病因」を詳しく診断して、「柔軟で活力ある福祉国家」のあり方を展望する。
目次
第1章 大国の衰退
第2章 「黄金期」
第3章 成長の減速
第4章 「失われた30年」
第5章 「構造改革」の再検討
第6章 「構造改革」はなぜ失敗したのか
第7章 柔軟で活力ある福祉国家
著者等紹介
石見徹[イワミトオル]
東京大学名誉教授。1948年生まれ。71年東京大学経済学部経済学科卒、77年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、86年経済学博士(東京大学)。96年東京大学大学院経済学研究科教授、2013年東京大学大学院経済学研究科名誉教授。同年流通経済大学経済学部教授。16年同退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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トロ05
2
失われた30年の原因として企業がITやデジタル分野への移行に遅れたり、非正規雇用を高めたことで企業内に技能蓄積がなされず高付加経済に進まなかった。このため欧米諸国に比較して賃金水準は停滞し、さらに少子高齢化が加わりデフレから脱却できないでいる。また賃金が抑えられている原因の1つに外国人株式保有シェアが大きい企業ほど賃金が抑制されるという。社会保障制度の持続性に不安があるため、中長期的内需を停滞させたり少子高齢化を招いており、政治への諦めが長期停滞を招いているような気がしました。2022/06/04
Go Extreme
1
大国の衰退: 過去の事例 日本の特異性 経済成長と「レジーム」 「黄金期」: 「黄金期」に共通した要因 日本の高度成長 成長の減速: 先進諸国の低迷 なぜ日本だけが成功したか 変化の予兆 「失われた30年」: バブル崩壊後の経過 少子高齢化 「構造改革」の再検討: 不良債権処理 財政・社会保障改革 労働市場改革 「構造改革」はなぜ失敗したのか: なぜ生産性が伸び悩むのか なぜ変われないのか 人々の意識、心理の変化 再び日本衰退の原因について 柔軟で活力ある福祉国家: 日本的格差の特徴 どこにモデルがあるか2022/01/15