出版社内容情報
市場制度以外に複数の組織・制度・慣習などが相互作用を及ぼし合い,複雑な振る舞いをみせる資本主義経済システムの多様性とダイナミズムを,その多様な制度的構成に注目し,ゲーム理論を中心とした普遍的分析ツールを駆使して解明する画期的テキスト.
内容説明
本書は、経済システムをさまざまな制度の集まりと考えることで、資本主義経済システムの多様性とダイナミズムを分析しようとする経済学の新しい分野、「比較制度分析(Comparative Institutional Analysis)」の世界でも初めての体系的な解説書である。
目次
1 企業の内部システム(企業内コーディネーション;企業システムの生成―進化ゲーム的アプローチ;企業内インセンティブと雇用契約 ほか)
2 企業をとりまく制度的補完の構造(企業間の垂直的関係―競争と合併;コーポレート・ガバナンス―双対的コントロール下の企業行動;状態依存型ガバナンス ほか)
3 経済システムの多様性と進化(経済システムの生成と相互接触;現代日本経済システムの歴史的生成;比較制度分析のパースペクティブ)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
12
あと数年生きていればノーベル経済学賞間違いなしと言われた青木昌彦先生が奥野正寛先生とともに東大で講義を行い、その講義をもとに日本の研究者が本文を書いたのが本書。青木先生の比較制度分析の内容がよくわかる。とはいうもののゲーム理論を使うなどなかなか難しい内容ではありますが。奇跡と称された日本の戦後の高度成長を支えた企業システムを中心に考察。これを読んで青木先生は本当に優れた経済学者であったことを改めて実感した。青木先生にはもう少し生きて日本人として初めてのノーベル経済学賞受賞者となって欲しかったと心から思う。2017/12/23
poku
5
青木先生、ご冥福をお祈りします。 青木先生の著書にもっと早く出会っていればと思います。制度面での導入を大学で研究し、導入すべき制度を提案する作業を行うもそれらが「モジュール的」なものに止まってしまうことが悩みだった自分にとってこの本は素晴らしい本でした。 2015/08/28
mobiile
0
WBS博士課程輪読2020/09/24