出版社内容情報
19世紀末の世界史的流れの中に日本の開港を位置づけ,その環境の下での日本近代化の特質を探る.英・米・仏・中国などの進出と日本の開港を中心に,学界における研究動向を踏まえつつ分析する共同作業.日本史・西欧史研究に新たな視座を提供する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絜
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日本資本主義の始まりと思われる幕末開港を「世界史的視点」で捉えること(という今から見れば当たり前のようなこと)の重要性を提起するコンファレンスの成果集。英米仏中日といった地域の経済史家を中心とした豪華な陣容...地域的には限られているが、「西洋諸国」側の固有の経済構造(米国内の産業構造転換とボストン商人の衰弱等)を読めて、日本経済史の文脈だけでわからないことをたくさん勉強できた。開港と外圧の日中比較は比較的共通的な関心として見られるが、個人的に内地通商権や買弁に関する比較は特に興味深く読んだ。2025/02/20