出版社内容情報
日本の企業数の99.7%,従業員数の68.8%が中小企業である.しかしそうでありながら中小企業の人材開発メカニズムはブラックボックスであり杳として知れない.その実態に定量・定性データから包括的に迫る.人材開発研究のミッシングピースを探しに.
内容説明
中小企業で人が育つ、そのメカニズムを定量・定性データから実証的に探る。中小企業で働くすべての人に読んで欲しい。
目次
第1章 中小企業の人材開発
第2章 中小企業の実態:組織と人の側面から
第3章 中小企業における人材開発施策
第4章 一般従業員の現場における学習
第5章 管理職の現場における学習
第6章 総合考察
著者等紹介
中原淳[ナカハラジュン]
立教大学経営学部教授/立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中途退学。博士(人間科学)。東京大学大学総合教育研究センター准教授を経て現職
保田江美[ヤスダエミ]
国際医療福祉大学成田看護学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mc6ρ助
12
この本自体は真面目に中小企業の人材開発研究に取り組んだ学術書、中小企業の人材開発の課題は中間管理職の育成、今後この分野の研究進展が待たれると。『「やっぱり、プレイングマネジャーっ・・て、結局・・、(管理職本人が)脱皮できないと、どうしてもやっぱりプレイヤーでいたいと・・厳しいいい方をよくしてるのは、「脱皮できない蛇は死ぬ」っていう格言があるんですよと(マネジャーにはいっています)」(p67)』人材開発という言葉に胡散臭さを感じる爺さまにはしんどいところはあるが、規模に関わりなくこれが日本の課題と思われた。2021/08/30
nishi
5
論文をそのまま出版したような本で、データ量も多く論旨も明快で理解しやすい。やはり職場における人的ネットワークの発達度合いが大企業と中小企業の大きな分かれ道になっているということであるが、近年のデジタル化によって場所を問わずに交流する機会もふえているのだから、職場の人的ネットワークを広げるすそ野は広くなってきているのかと思う。2021/08/15
sawa.ever.918
1
大企業と中小企業との人材開発の違いについて比較しながら中小企業の人材開発の実態を理解することができた。特に重要&印象的だったのは中小企業の人材開発の主要ファクターが「経験学習」。これは大企業も同じではなかろうか?と思うが大企業は上位者からの内省支援など間接支援を受けやすいが、中小ではその期待が大企業よりも薄い。人材開発に大幅なコストをかけられない中で本人が日々の経験からいかに学んでいけるかという仕組みづくりが大切になってくる。2025/01/10
Go Extreme
1
中小企業の人材開発: 人材開発研究の普及ー社会的背景と研究動向 3つの学習理論:経験・職場・越境 中小企業の実態:組織と人の側面から 中小企業における人材開発施策: 人材開発施策の公式化ー企業規模による影響 企業規模と人材開発制度の利用率との関連 人材開発施策の公式化・整備と企業パフォーマンスおよび従業員の成長との関連 一般従業員の現場における学習: 現場での学習への接近 職場学習・経験学習影響 顧客からの学習影響 管理職の現場における学習: 研修のあり方の影響 挑戦的な業務経験影響 経営者のサポート影響2022/01/24
Mika Otomo
0
大企業基準の人材育成ではなく、中小企業視点なのが新鮮。管理職育成の必要性と重要性、経営者の関わり方もまた大切2021/08/22