出版社内容情報
気象庁という行政機関を軸に,近代日本社会における気象行政の変遷を描き出す.中央気象台時代から,気象庁は組織の行動様式を支える価値を模索し,天気予報を通して社会からの信頼,評判を得ようと技術革新を続けている.本書は,科学技術をめぐる行政と社会の関係を解明する先駆的研究である.
目次
第1章 本書の課題と視角(行政学・政治学における「専門性」;行政学研究への科学社会学の視角の導入 ほか)
第2章 近代日本の気象行政―「エキスパート・ジャッジメント」の制度化(天気予報の開始と「研究機関」路線の定着;戦時体制下の気象行政と「危機」の顕在化)
第3章 戦後日本の気象行政の形成―「エキスパート・ジャッジメント」から「機械的客観性」へ(平時への復帰と「現業官庁」路線の定着;「客観的」な「予報」へのパラダイム転換)
第4章 戦後日本の気象行政の確立―「機械的客観性」の制度化(気象庁における「企画」の役割の増大;「防災官庁」への社会的期待の表出 ほか)
第5章 現代日本の気象行政の動揺―「エキスパート・ジャッジメント」の再生(「天気予報の自由化」の背景;気象業務法の改正 ほか)
著者等紹介
若林悠[ワカバヤシユウ]
1986年千葉県生まれ。2011年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2013年東北大学大学院法学研究科博士前期課程修了、2018年東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了、博士(学術)。現在、東京大学先端科学技術研究センター特任助教。國學院大學法学部兼任講師他。専攻は行政学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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