出版社内容情報
世界を舞台に華々しく活躍した国際人・安達峰一郎(1869-1934)の著作集。日本の国益を代弁する外交官として、のちには世界の平和に尽力する裁判官として、安達は20世紀前半に活躍した日本人の代表的存在であるものの、その著書が刊行されたことはなかった。学術論文や随筆のほか、外交官時代の調書や報告書、捕獲審検所評定官としての調査書や判決、国際連盟総会・理事会参加時の報告書、常設国際司法裁判所裁判官・所長としての報告書や個別意見、さらには重要な書簡なども併せて、一冊に纏め初の著作集として刊行する。加えて個々の資料を的確に位置づけるふたつの解題(柳原正治/三牧聖子著)を付すことにより、“国宝”(新渡戸稲造)とまで称されたその真の姿が明らかになろう。
目次
第1章 法学・国際法学の研究
第2章 外務官僚・外交官
第3章 国際連盟と世界情勢
第4章 常設国際司法裁判所
第5章 随筆・小論など
解題
著者等紹介
安達峰一郎[アダチミネイチロウ]
1869年山形県生まれ。1882年山形師範学校中等部入学、1892年帝国大学法科大学法律学科卒業・外務省入省、1913年メキシコ公使、1917年ベルギー公使、1921年同大使・国際連盟総会日本代表(1929年まで)、1925年帝国学士院会員、1927年フランス大使、1931年常設国際司法裁判所所長、1934年アムステルダムにて永眠(1935年オランダ国・常設国際司法裁判所合同葬)
柳原正治[ヤナギハラマサハル]
1952年生まれ。1981年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。現在、放送大学教養学部教授。主要著作に『ヴォルフの国際法理論』(有斐閣、1998年、安達峰一郎記念賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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