出版社内容情報
中・近世ヨーロッパにおいて戦時下の掠奪は,習俗や法慣習,神学・教会法学そして初期国際法学によっても合法であった.それは何故か.本書は,この掠奪の法観念を手掛りに中・近世ヨーロッパ世界を描き出し,さらに掠奪を非合法化する近代世界の誕生を探る.
★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。
目次
第1章 掠奪―「戦争の惨禍」と中・近世ヨーロッパ世界
第2章 人の掠奪
第3章 物の掠奪
第4章 敵
第5章 掠奪の非合法化―近代ヨーロッパ世界の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saiid al-Halawi
3
当時横行していた私的で無分別な略奪を抑制しようと、その法源をローマ時代の文献やキリスト教精神に求めていた中世から、「掠奪ハ之ヲ厳禁ス」との条文が盛り込まれたハーグ条約に至るまでの法観念をめぐる通史。4本もの論文をまとめているため内容はかなり緻密で専門的なものになるが、それゆえに隙が無い。テーマが一貫しているのでむしろ読みやすくすらあった。グロティウスがなぜ国際法の父と呼ばれるか、本書を通してその一端を垣間見ることができたんじゃないかって思った。2011/07/26
やきそらまめ
3
略奪、という今では無法そのものに思える行為が法観念の中でどのように規定されていたのかが概観できる。略奪する権利が、結構な近代になるまで慣習のみならず法観念上で主張された権利だというのが面白かった。欲を言えば、時代の変遷と共に実際の略奪の光景がどのように変わっていったかも述べられているとよかった。法史というのも面白そうなテーマだ。2009/04/10
陽香
2
199303102018/01/16
たぬき
2
分散権力 ルソー 国家と個人の分離2010/07/14
黒麹
0
ISが無茶苦茶するのは 国家=国民の状態(近代国家は国家=兵士 で兵士と市民は違う)だから2015/12/16
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