出版社内容情報
利益集団が強力なアメリカにおいて,公共利益はいかなるメカニズムのもとで実現されるか,環境保護政策を例にし,理論的にまた聞取りも経ながら実証的に解明.クリントン政権の環境保護政策が,公害未然防止という革新的な手法へ変化しつつあることにも言及.
内容説明
本書では、環境保護に代表されるいわゆる公共利益が、アメリカ政治において、どのようなメカニズムで表出され、またどのような過程を経て政策へと結実するかについて明らかにしている。その際に、単に運動について注目するだけでなく、アメリカ政治全体の構造から分析しようと努めるとともに、正義の感覚や政策案、政治制度の役割、あるいは専門能力や専門家のネットワークが果たす役割を重視して分析している。
目次
序章 公共利益の表出
第1章 アメリカ政治における公共利益団体
第2章 イシュー・ネットワークと公共利益団体
第3章 環境保護運動の構造
第4章 アメリカの政治制度と環境保護庁
第5章 公害未然防止法の成立―専門能力・運動・制度
第6章 公害未然防止政策の展開―環境保護庁を中心として
終章 政策案、政治制度、公共利益連合