出版社内容情報
法的思考や秩序像の転換が立法政策論・法解釈論・実定法基礎論の諸問題に対してもつインプリケーションを考察し,後者から前者へのフィードバックをも踏まえつつ「法実践への提言」を試みる.
内容説明
自由と自己決定の時代―“実現した理想”に隠れた諸問題に対して、どのような法実践が可能なのか。いまだ命名されていない「法」の創造へ。
目次
第1部 基本前提を問う(未来は値するか―滅亡へのストラテジー;市場における自律性―契約理論の再構成;家族と多元的文化規範)
第2部 実現した理想の重圧(生活世界からの法創造―コミュニティの自生的秩序が法につながるまで;言語政策と国家の中立性;個人自己責任の原則と集合的責任)
第3部 強固な理論伝統(政策としての法;法的紛争処理の多元化と統合;法的イマジネーション)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
8
石山文彦氏の「言語政策と国家の中立性」が採録されています。現在はロシアとウクライナで見られるように、国家権力支配の底流に国内で覇権を持つ言語が存在して、言語間の自由競争など思いもよらないのでしょうか。もう少しソフトなことでも、国家が言語政策について中立性原理を全うできるかは、現実にはかなり厳しい状況でしょう。カナダケベック州のようにフランス語を流通させるのは逆差別の可能性もあると考えると、複数公用語ならば良いわけでもなく、自由競争に持ち込むという著者の意図はどう実現できるのかと考えこんでしまいました。2022/10/16
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