出版社内容情報
各国政治の比較分析は，どのような方法論に基づくべきなのか．各国の政治制度や政治文化の特徴の並列的記述を超え，「社会運動論」や「比較政治理論」の分野における最新の研究動向を踏まえながら，比較政治の全体的構図の解明を試みる．
内容説明
各国政治の共通性と差異性をトータルに明確化することは可能か！「社会運動論」や「比較政治理論」の業績を踏まえ「比較政治」の包含すべき全体的構図の解明を試みる。
目次
第１章 比較政治の理論状況（日本における比較政治の現状；現代アメリカにおける比較政治学の発展段階；現代アメリカにおける比較政治学の理論状況）
第２章 比較政治から見た社会運動論（端緒：「資源動員論」と「新しい社会運動論」との対抗；統合への理論的企て；展開：政治的機会構造論とフレーミング論の興隆；社会運動の全課程把握へ）
第３章 比較政治理論の変容（合理的選択理論の展開；オストロムの「共有資源」論；ツェベリスの「入れ子ゲーム」理論；「分析的物語ａｎａｌｙｔｉｃ ｎａｒｒａｔｉｖｅ」という視角）
第４章 比較政治理論の可能性（新しい「政治過程論」の登場；「新しい制度論」の勃興と理論的共同作業の可能性）
結章
著者等紹介
小野耕二［オノコウジ］
１９５１年北海道に生まれる。１９７４年京都大学法学部卒業。現在、名古屋大学大学院法学研究科教授
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感想・レビュー
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ふにゃ
1
要再読。2001年出版。政治学の潮流として、構造・主体・文化それぞれに焦点があてられる。この3つの焦点は今はどちらかというと分散しているという。主体に焦点を当てると、価値と文脈が、文化だと選択と拘束要因が、構造だと行為と志向が見落とされることがある（p161）。論文を書くには、どれかの理論に足を据えて、欠点を補っていくという作業が必要そう。／「入れ子ゲーム」理論には気づきを得られた（p103）。／問題は、2013年現在はどうなっているかということ。引き続き著者の本を読む。2013/08/18
oligarchical
0
内容を一言で表せば、比較政治の理論の、歴史的発展過程。割と体系立って各理論潮流を説明しているものの、引用英語論文の日本語訳が丁寧でなく、その部分は非常に読みにくい。本書の内容を全くの予備知識なしで読むのはきついかもしれない。学部の授業の補完用と考えるのが妥当か。2010/08/26
