出版社内容情報
法の解釈とは何か,を一貫して追求してきた著者の,「法の解釈における制定法の意義」以降の八編のフィクション論をまとめる.法におけるフィクション〔擬制〕の意味の追求から,そもそも人間にとってフィクションはどんな意味をもつのか,というテーマに至る緻密な考察.1998年10月に死去した著者の四〇数年にわたる研究成果が結実した珠玉の論文集.
内容説明
本書の著者、来栖三郎は、40年以上に及ぶフィクション研究の成果を一書にまとめて世に問いたいという願いを果たさぬままに、1998年10月1日、86歳で世を去った。その遺志を実現すべく、上梓することとしたのが、本書である。遺志に従って、1956年発表の「法の解釈における制定法の意義」から1996年発表の「フィクションとしての社会契約」に至る八篇の論文が収められている。
目次
1 フィクション論序説
2 法の解釈における制定法の意義―その一 法と法源
3 「法における擬制」について
4 モデルと擬制―「法における擬制」論の準備のための学習ノート
5 文学における虚構と真実―「法における擬制」論の準備のための学習ノートのつづき
6 フィクションとしての神
7 フィクションとしての自由意志
8 フィクションとしての社会契約
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
check mate
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木庭顕先生の評より。「引用のかげに隠すようにそっと自己の判断(もしくはむしろ疑問)を挿入するという著者の極度に謙抑的な表現に幻惑させると、十分に著者の立論の精度と射程を把握しえない怖れるある」。「何重もの意味において、市民社会を構築しようとする伝統に連なる、最も正統的な選択。」2016/03/07
ただの人間
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ある程度法解釈に接近した問題意識から始まり、文学や神にまで議論を及ぼしたあと、社会契約を論じるに至る過程で少しずつフィクションの概念を形作っていこうとしていた。ものすごく引用、脚注が長い上に、文学、神といったあまり馴染みのないジャンルにまで話が及ぶのでなかなか読み進めるのには苦労したが、決して風呂敷を広げるだけ広げて門外漢のところにまでむやみやたらと手を出したわけではない印象を受けた。圧倒的な独自性を持つだけに、著者自身によるまとめが叶わなかったことはやはり残念。2019/12/28
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