初詣の社会史―鉄道が生んだ娯楽とナショナリズム

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初詣の社会史―鉄道が生んだ娯楽とナショナリズム

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  • サイズ A5判/ページ数 313,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130262415
  • NDC分類 186.9
  • Cコード C3021

出版社内容情報

年始の「国民的行事」はいかに定着したのか? 鉄道会社の経営戦略も絡んだ歴史の真相に迫る。

毎年多く人が訪れる初詣.その起源と展開をめぐる体系的な初めての研究書.国家による庶民へのイデオロギー注入政策として形成されたのではなく,近世の恵方詣を淵源に,鉄道の集客政策もともなって庶民に広まった後,知識人が影響を受けて,さらに「国民的行事」として定着したその歴史を探る.

序 論 「国民的行事」はいかにして誕生し,継続しえたのか

第一部 初詣の成立
 第一章 明治期東京における初詣の形成過程――鉄道と郊外が生み出した参詣行事
  補 論 「初詣」の用法について
 第二章 恵方詣と初詣――東京と大阪

第二部 初詣とナショナリズムの接合
 第三章 二重橋前平癒祈願と明治神宮創建論争――天皇に対する「感情美」の変質
 第四章 知識人の参入――天皇の代替りと明治神宮の創建
  補 論 「庶民」についての若干の補足――日雇労働者に注目して

第三部 初詣の展開――都市の娯楽とナショナリズム
 第五章 関西私鉄・国鉄と「聖地」
 第六章 戦間期東京の初詣――現代型初詣の確立
 第七章 初詣をめぐる言説の生成と流通――〈上から〉のとらえ返し

終 章 鉄道が生み出した娯楽行事とナショナリズムの接合

初出一覧
あとがき
索引

【著者紹介】
平山 昇
平山 昇:九州産業大学商学部講師

目次

「国民的行事」はいかにして誕生し、持続しえたのか
第1部 初詣の成立(明治期東京における初詣の形成過程―鉄道と郊外が生み出した参詣行事;恵方詣と初詣―東京と大阪)
第2部 初詣とナショナリズムの接合(二重橋前平癒祈願と明治神宮創建論争―天皇に対する「感情美」の変質;知識人の参入―天皇の代替りと明治神宮の創建)
第3部 初詣の展開―都市の娯楽とナショナリズム(関西私鉄・国鉄と「聖地」;戦間期東京の初詣―現代型初詣の確立;初詣をめぐる言説の生成と流通―「上から」のとらえ返し)
鉄道が生み出した娯楽行事とナショナリズムの接合

著者等紹介

平山昇[ヒラヤマノボル]
1977年長崎県生まれ。2001年東京大学教養学部卒業。2010年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。駿台予備学校講師、立教大学兼任講師などをへて現在、九州産業大学商学部観光産業学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mittsko

6
非常にクリアな問題設定と構成と文体で、読んでいて気持ちがよい(。・ω・。) 加えて、平板な歴史構成主義の研究ではないのも良! いい本です ⇒ 明治から大正、昭和へ、初詣が(国家の策動によるというより)都市在住の庶民がみずから楽しむ娯楽行事として生まれ、それがやがて上から、とくに知識人階級を介して、天皇崇敬とナショナリズムに接合し、また鉄道網と都市化の進展にうながされて、「国民的な」正月行事として定着していく過程(本書が大きな注意をはらうのは、単に創出ではなく、定着持続の局面)を、歴史学的手法で明らかにする2017/11/30

Hiroki Nishizumi

5
論文調な文体ではあるが、鉄道、ナショナリズムとの絡みが分かりやすく書かれてある。2019/12/19

ポルターガイスト

3
名作。問題設定が非常に明確で読みやすい。論文調ではあるがとてもユーモラスでずっと笑いながらさくさく読めた。もともと論考文をつなぎあわせて成立した本だから史料や統計の裏づけも申し分ない。文庫化して手頃な値段で買えるようになったら,歴史系の探求学習をしたいと思っている高校生に一章分だけでも読ませたい。そのくらいクオリティ高いと思う。2024/02/19

manabukimoto

2
「伝統」行事感のある初詣が、近代以降に庶民の娯楽として鉄道会社により定着し、それにナショナリズムが加わることで、皆んなの行事になっていく過程を描く学術書。 近世にも徒歩で行ける近くの社寺へのお参りはあった。しかし、大挙して特定の寺社にわざわざ行く初詣の習慣が定着したのはたかだか百年余り。伝統でも何でもない。 興味深いのは近畿の初詣の広がり。歌劇団や百貨店などモダニズムで人を呼ぶ阪急に対して、他者が縋るのが皇室ゆかりの地。明治天皇の墓である桃山御陵詣りを京阪が強く仕掛けていたとは!2017/12/05

huan

1
お正月の伝統的な風習と思われる初詣は実際に明治期に定着したものである。初詣というより、恵方詣こそが近世に盛んに行われた正月参詣である。近代社会の都市化の中に、旧来の都市共同体に縛られない流入者は郊外での行楽を求める願望が強くて、それは明治30年代に鉄道会社によって実現された。鉄道会社は郊外行楽と現世利益祈願を結びつけることで、参詣客の誘致キャンペーンを行っていた。また、収入源の安定性や商業利益の最大化などの理由で、毎年欠かさず初詣はついに五年周期で変わる恵方詣を凌駕し、主力商品として宣伝されてきた。2020/09/21

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