出版社内容情報
オスマン帝国の近代化に貢献した改革派の政治家ミドハト・パシャ(1822?1884年)が晩年に綴った手稿を原典から訳出する。改革に向けた実践であるミドハト憲法発布、さらにはヨーロッパ列強とのせめぎ合いなど、内治外交の当事者の視点から明らかにされている。タンズィマートと呼ばれる近代化改革が見渡せる一級史料。
目次
第1章 生い立ちとニシュ州総督時代
第2章 トゥナ州知事時代と国家評議会議長時代
第3章 バグダード州知事時代
第4章 一度目の大宰相時代とその後の混迷
第5章 二度目の大宰相時代と基本法の制定
第6章 国外追放、シリア州知事時代、アイドゥン州知事時代
著者等紹介
ミドハト,アフメト・シェフィク[ミドハト,アフメトシェフィク] [Midhat Pasa,Ahmed Sefik]
1822年、イスタンブル生まれ。書記官僚として頭角を現し、各地の州知事を歴任。大宰相を2度務め、1876年の憲法発布に尽力した。廃帝アブデュルアズィスの弑逆に関与したとされてユルドゥズ裁判で有罪判決を受け、アラビア半島のターイフに流された。勾留中に2巻にわたる自伝『訓戒』と『驚異の鏡鑑』を著す。1884年、ターイフ要塞の居房内で死去
ミドハト,アリ・ハイダル[ミドハト,アリハイダル] [Midhat,Al^i Haydar]
1872年、イスタンブル生まれ。ミドハト・パシャと第二夫人シェフリバンとの息子。1909年、父の遺した自伝を刊行。一時オスマン帝国の代議院(下院)議員を務めたが、その後、公職に就くことはなかった。晩年に自身の自伝『わが回想、1872‐1946年』(Ali Haydar Mithat,H^atiralarim1872‐1946,〓Istanbul:Mithat Ak〓cit Yayini,1946)を刊行した。1950年没
佐々木紳[ササキシン]
1976年、新潟県生まれ。2001年、東京大学文学部卒業。2011年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、成蹊大学文学部教授。博士(文学)。専門はトルコ近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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